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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕


忘れていた訳ではない。

私の胸の中には常に悟志の事、剛の事が渦巻いているが、あの日の彼の不可解な態度も引っ掛かっていた。

実際には身体中が拒否反応をして出来なかったけれど、私は彼と話を付けようと自ら出向いたのだ。

――話をつける……彼の言う条件を呑んで、引き換えにあの写真を消して貰う為に、行ったのだ。

剛と同い年、15歳の彼は、その年齢とは思えない程に女性の扱いに慣れているのが私でも分かった。

私の15歳の頃といえば、男の子と付き合う処か話もしたことがなかったのに。

今の高校生、今の子供たちはそういう事が進んでいるのか、それとも彼が特別なのだろうか。

そんな事を考えていたら、剛とのセックスをまざまざと思い出してしまい、身体が熱っぽくなってしまった。



(私ったら……もうそんな事を思い出したらダメなのに……!)



「ママ――!マルゲリータの特大頼もうよ!
あと、フルーツピザも!」

「あ……そ、そうね」



祐樹の言葉にハッと我にかえり、ピザ屋に注文の電話をすると、私は



「ごめん、真歩に電話してくるね……すぐ戻るから」



と断り、寝室へ入った。


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