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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕



ベッドに腰かけて、震える指でメールを打った。

怖くて堪らない。自分は、とっくに越えてはならないボーダーラインを踏み外している。

愛してはならない彼を愛して、愛されてはいけないのに、彼に何もかもを許してしまった。

神様が見ているから悪い事は出来ないんだよ、というフレーズを何かの絵本で見たような気がするが、やはり見過ごしては貰えないのだろうか。

彼との愛に溺れた罰は、私だけに課してください、神様――

胸の中で、幾度そんな風に祈っただろう。

彼との事を隠そうとするあまりに、私は更に罪を重ねる事になるの――?



先日、森本にされたキスと愛撫の感触を思い出すと、寒気で震えてしまう。

私に、そんな事が出来るのだろうか。

森本と身体を重ねる事など――


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