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愛しては、ならない
第47章 埋まらない溝



森本は鋭い痛みに眉を少ししかめるが、その険しい表情さえも彼を魅力的に見せてしまう。

清崎はうっとりと見惚れながら彼の頬を指でなぞる。



「ふふ……あの女にも、こんな風に爪を立てられた?」

「……晴香」

「きっと、あの女は甘い声で啼いて……剛君を虜にするんでしょうね……」



彼女は彼の頬に触れていた指を少しずつ下へ降ろしていき、首筋をなぞり、突き出た喉仏に触れ、くるくる指を回した。

彼はゾワッと寒気をおぼえるが、擽ったさからではなくて、彼女の目付きに異様な色を見た故の震えだった。



「ねえ……あの女は……どうだったの」

「……」

「挿れてみて、私より良かったのっ?」

「――ぐっ」



清崎の細い指先が彼の喉に食い込む。



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