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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と


「ちゃんと布団を掛けないと、風邪引くわ……」



悟志の身体に毛布を掛けようとすると、彼の腕が私を捕まえて、抱きすくめてきた。



「悟志さん……眠った方が……いいんじゃ」



私は、震える声を隠せなかった。

皆が居る時には怖いとは思わなかったのに、こうして実際に二人になると、あの夜を思い出してしまう。

悟志が、あのおぞましい形をした玩具で私を責めて果てさせ、更に彼自身で私を烈しく犯して……

あれは、「営み」ではなく、欲を晴らす為の「交わり」だった。

私は、あの時凄まじいまでの快感に狂いそうな程だったが、反面、悟志が怖くて仕方がなかった。



――あの夜の事、覚えているの?



聞きたいけれど、聞けない。



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