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第48章 喪われた記憶と

熱いシャワーを浴びて、悟志に触れられた痕を洗い流していく。

自分を見失う程に、悟志の愛撫に感じてしまった。

剛に抱かれていた時のあの泣きたくなる程の切ない、悲しみと隣り合わせの様な幸福感を思うと、彼がまた恋しくなってしまう。

剛に抱かれなくなって、何日経つだろうか。

剛の切れ長の瞳で見詰められながら、あの繊細な指で身体中を愛されて、硬く大きい彼の芯で突き刺され、楽園に連れていかれた日々。

数日前までの出来事なのに、もう遠い昔のようだった。

もう、どんなに恋しくても、彼に愛を告げてはいけない。

彼の愛の言葉を受け止めてもいけない。

彼の腕の中で、甘い想いに沈むことも、抱き締めることも――




「……っ……」



シャワーよりも熱い涙がこみ上げ、流れて落ちていく。