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愛しては、ならない
第54章 四年後




「まあそう言わずに、せっかくだから行くのもいいんじゃないのか?
心細いなら俺が付いていってやるし~
まあ、元カノがクラスに居るし気まずいのも分かるけどさ~
ひょっとしたら、久々に会ったら元サヤになったりとかあるかも知れないじゃん」

「人の事だと思ってバカを言え……」




ニヤニヤ笑って肘で小突いてくる祐樹を、剛は軽く睨んだが、祐樹は剛の目の前に立ち、掌を頭に翳して二人の背を比べた。



「ん――っ……まだ負けてる――!悔しいな――っ」

「俺を追い越そうなんて百年早いぞ」



剛が口の端を上げると、祐樹は口を尖らせて頬を膨らませた。

その無邪気さは小さな頃と変わらない。

剛はふと、そんな彼を羨ましく思い、眩しそうに瞬きした。


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