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愛しては、ならない
第8章 遊園地での賭け③




剛を真っ直ぐに見て、私は拳を固めた。


深呼吸して、心の準備をする間、祐樹が首を傾げて私を見つめていた。



――ごめんね、祐樹。
あなたの事を一番に考えなくてはならないのに……
私は、いつの間にか、あなたにお兄さんを作ってあげたいと言いながら、自分の事しか考えて無かったかも知れない……




私は、祐樹に向き直り、しゃがんで頭を撫でた。


「祐樹……
ママの言うことを、聞けるかな?」



祐樹は頷いた。



私は正面にあるお化け屋敷を指差して、高らかに宣言する。




「ママ、剛さんと、お化け屋敷で競争をします――!」



声は裏返り、頬がひきつる。

私の大声に、周りの客たちは怪訝な表情をして通りすぎた。

剛は目を丸くして、祐樹は口を手で押さえる。



「ママ――?
ホンキなの?
物凄い恐がりなのに――!」


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