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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々




祐樹は生意気にブラック珈琲を啜り、苦そうに顔を歪めると淡々と言う。


「あいつ、マザコンの気がありそうだから、早めに彼女作ってママ離れした方がいいと思う」


「ええ?」




私は、思わず笑うが、祐樹は真面目くさった口調で

「だって、端から見たら、剛とママって親子に見えないもん。
まあ、本物じゃないから当たり前だけどさ。
なんか、ラブラブな恋人同士みたいだし」



と言い放つと、ランドセルを手に玄関へ行ってしまった。



「もう行くの?」



「うん!
卒業式にやる合唱の朝練があるから、早く音楽室行ってピアノ弾かないとなんだ――!
いってきまーす」



見送りに慌てて走るが、既に祐樹は出ていった後だった。


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