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愛しては、ならない
第13章 甘い、地獄の日々



胸に廻された腕は、悟志の物だった。


チュッと音を立て、頬にキスをされる。



「おはよう、どうしたの?こんな所で座って?」


「う、うん……
なんだか、目眩がして」


悟志は眉をひそめ、私の肩を抱いた。


「それはいけないな……
昨夜の……無理させ過ぎたかな?」


私はつい、赤くなり俯いた。


「う、ううん……」


悟志は頬を緩ませて私の頭をポン、と叩き、ふと真顔になり内緒話をする様に耳に口を寄せてきた。


「剛は?」


「あ、そう言えばまだ降りてきてないの……
珍しいわね、寝坊なんて……」


私は、胸がざわめいた。

(――まさか、具合でも悪いのかしら? )


気付けば悟志が私をじっと見ている。


「……なあに?」


笑って彼に訊ねるが、無言だった。
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