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愛しては、ならない
第15章 檻の中の愛②



他の同級生の女子とは違い、清崎はギャンギャン騒ぐ事もなく、高くもなく低くもない不思議なトーンの声でゆっくり話す子だった。


そんな所も俺は彼女に好意を感じていた。


だが、菊野に対する気持ちとは全く違う種類の物だ。


菊野の事を優しく包みたいと思ったり、滅茶苦茶に壊したい、という衝動が込み上げる事がある。

菊野に関しては、俺は全く自分をコントロール出来ない。



清崎と居ると気持ちの尖った角が取れていく様な気がするが、菊野の事を忘れる為に利用している様で罪悪感も少しあった。


――もっと他の可愛い女の子がいるでしょう?――


菊野の言葉が頭を過り、ズキリと頭が痛み俺はこめかみを押さえた。



そんな理屈は分かっている。
分かっているが、どうしようもないから苦しいのだ。

俺は、貴女を愛してはいけないのか?


こんなに、思うだけで身が焼ける程に熱くなるのに――
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