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愛しては、ならない
第22章 滅ぼせない恋情



そこで父と悟志は意気投合し、仕事以外のプライベートでも付き合う様になったのだ。


だが、父が私にそんな経緯を全く話さないので、彼が家に来た時は仰天した。


まるで十年来の友人同士の様に肩を組み、二人とも酔っぱらっていた。


父が、強引に連れてきたらしい。


丁度その夜は真歩が泊まりに来ていて、私も真歩もお風呂上がりのパジャマ姿で居た。


「何々っ?
おじさん、その人、何処で拾ってきたのっ?」



真歩は、悟志を見て父に尋ねるが、彼は酔いも手伝ってか、歌うようにこう言った。




「僕は~!
菊野ちゃんの~!
運命のお・と・こ!
だよ――――!」



「はあ~?」


「頭に乗るんじゃ~ないっ!」



真歩は目を丸くして、父は悟志の首を絞めた。



「ウワアアア――!
菊野ちゃん、た、す、け、てええ」


「菊野ちゃんとか呼ぶんじゃないっ!
慣れなれしい――!」



母は呆れ果て、私達に
「バカは放って置いて、もう寝ましょうね~」



と言い、私達の背中を押し、じゃれ合う二人を残しリビングのドアを閉めたが、悟志の叫び声が聞こえてきた。



「菊野ちゃん――!

卒業したら、お嫁においで――!」


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