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愛しては、ならない
第22章 滅ぼせない恋情



「そんな畏まらなくて大丈夫だよ。
只のオジサンにさ~」


「い、いえっ……そんなっ」



へどもどしていたら、悟志はポケットから名刺入れを出し、一枚私に寄越す。



「これ、お父様に渡しておいて?
じゃ、またね~」



軽やかな口調で言い放ち、彼は車を走らせ行ってしまった。



「西本さ……」


呼び止める間もなかった。


私は溜め息を吐き、彼が去った方向を暫く見詰めていた。


彼は、"またね"
と言ったが、何故か私も、また会える様な気がしていた。




そして、その予感は当たった。



父が仕事の取引先とのゴルフコンペで、悟史に遭遇したのだ。


悟志の勤める会社が、たまたま取引先だったらしい。


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