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愛しては、ならない
第25章 離したくない
「そうよ……剛さんが産まれたばかりの時には……私……中学で英語検定…受けさせられたんだから……

二級……受け……」


眠そうにしながら、何処か鼻高々な口調が可笑しかった。


「ふうん……で、合格されたんですね?」


「ぶっぶーー‼落ちました~」


クスクス笑う菊野を余裕たっぷりな風を装い見詰める俺だったが、頭の中では彼女が森本に顎を触れられている場面が甦り、

「奴に何をされたんです」

と問い質したくなる。


菊野は警戒心をもたなすぎる。

俺達のような少年は彼女には子供にしか見えないのかも知れないが、実際の十五才の男が自分をどう見ているか、など考えもしないのだろう。


ーー俺に何度も襲われそうになっているのに……
この人は、もう少し疑う事を覚えた方がいい……







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