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愛しては、ならない
第26章 離したくない ②


剛の長い指が、花弁に優しく触れた。

咲こうとする柔い花にそうするように。


「や……やだっ……
お願い……見ないでっ」


「菊野さん……泣かないで……」


低い静かな囁きが、鼓膜を蕩けさせる。

今まで聞いた彼の声で、一番甘いそれは、鼓膜と私の身体全部を熱くさせた。

そして蜜を滴らせ、花弁から溢れ出る。


剛の指が、それを伸ばすかのように触れて、彼は溜め息混じりに呟いた。


「初めて……見ましたが……
とても綺麗です……」


「嘘……嘘よ‼そんなの……
恥ずかしいから……
もう……やめて……」


言葉とは裏腹に、彼の眼差しと囁かれる言葉に甘く反応する私の秘蕾は、溢れ、痙攣していた。
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