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愛しては、ならない
第28章 罪と恋を抱き締めて


「……まあ……それは半分冗談です」


「も、もうっ!!
大人をからかうんじゃないのっ!!」



口調を変えて悪戯な笑みを溢す剛の頭を、思わず拳骨で頭を叩いてしまった。

ほんの軽くの鉄拳制裁だったが、彼は頭を両手で押さえて呻いた。



「…………今の……かなり効きました……」


顔を歪める彼が本当に痛そうで、私は慌てる。


「やだ……!!ごめんなさいっ……どうしよう……頭は一番大事なのに……!!
お医者様……フロントに連絡して、お医者様を寄越してもらいましょうっ」


ベッドサイドの電話に手を伸ばすが、剛がいきなり私を抱き上げた。



「剛さん――っ?」


「フフ……
お医者様に診て貰うより……俺は菊野さんを診察したいです」


「なっ……!
もうっ!!騙すなんて……ひどっ……」


彼の胸を叩こうと手を振り上げた時、唇を塞がれた。
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