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愛しては、ならない
第32章 企み②


「け……消しなさい!」


私は完全に色を失ってしまい、声が裏返る。

彼はスマホと私を見比べてニヤリと笑う。


「菊野さん……言い方が間違っていますよね。

消して下さい、お願いします……と、言うべきでは?」


「――っ……」


グッと詰まる私に、彼はじりじりと近付いて、あっという間に息が耳に掛かるほどの距離まで来てしまった。

彼は、無邪気な笑みを浮かべながら私の髪を撫でた。



「言ってごらん……菊野さん……

写真を消して下さい……

その代わり、この身体を貴方にあげます……

どうか、森本君の好きな様に犯して下さい……

……てね?」


「……っ……そんな……っ」







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