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愛しては、ならない
第34章 恋の短夜(みじかよ)



菊野は瞼を閉じて、一心不乱に俺を導こうとしている。

俺は手を伸ばし彼女の髪を束ねるように持ってやり、片手で頬を撫でてから、首筋に滑らせ、鎖骨の下の膨らみに触れた。

途端に、俺を口に含んだままの彼女が溜め息を漏らし、その甘い刺激が俺を極限まで熱くさせた。

指で突起を軽く摘まむと彼女の身体が震え、先程よりも悩ましい溜め息を吐いた。



「く……菊野さ……っ……これ以上は……っ」



瞼の裏側でチラチラと火花が見える。もう、限界がすぐそこに来ている。

彼女の頭を両手で掴み退けようとするが、菊野は尚も烈しく俺を口で愛撫することを止めようとしない。




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