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愛しては、ならない
第36章 愛憎


そう言えば昨日は、森本と二人きりになり何を話したのか問い詰めようとして、結局うやむやだ。

俺が菊野を攻めながら聞き出してやろうと思っていたのに、結局は彼女に俺が先に溺れてしまい、それどころでは無くなって……



(――あ……ああん……)



「……っ」



不意に彼女の艶やかに啼く声と、腕の中で揺れる肢体が甦って、身体が熱くなった。

考えただけで、思い出すだけで、心は乱れて身体の全部が昂る。

下半身に血が集まり、制服が窮屈に感じた。




(……バカか俺は……ここは学校なんだぞ……っ……

鎮まれ……鎮まれ!)



俺は、小難しい数式を幾つも頭の中に並べて、彼女の事を追い出そうと必死になった。

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