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愛しては、ならない
第38章 愛憎③



「――っと」


反射的にそれを空中で掴みとり、祐樹を見る。

祐樹は時折、突然何かを投げ付けてくるという悪戯を仕掛けてくる事がある。

俺がキャッチすると、いつもならその澄みきった瞳に無邪気な色を浮かべ『やるじゃん』

と言うのだが、今の祐樹は俺を睨み付けている。



「祐樹――」

「剛はさ、やっぱり俺らに関心がないんだろ?

パパが意識が戻らなくたって、ママが何かで悲しんでいたって、俺がどんなにその事を心配してるかなんて、お前には関係の無いことだって思ってるんだろ!!」

「祐樹、それは違……」

「そんなにこの家が好きじゃないなら、来なければ良かったんだよ!!」


祐樹は拳を握り締め、床を見詰めて怒鳴った。





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