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戦国×ハロウィン
第3章 ホラーハウスSANADA
 


『真田の日常』



 上田合戦の後、豊臣秀吉の仲介により真田と徳川は和睦した。その後徳川は、先の合戦で活躍した昌幸の嫡男・信幸の器量に惚れ込み、本多忠勝の娘である稲姫を家康の養女として嫁がせる。この婚姻により信幸は徳川家の縁者として扱われるようになった。

「よいか、稲。お前は忠勝の娘だが、儂の養女でもある。真田は徳川を翻弄した難敵じゃ。くれぐれも、この縁談を破棄するような行動は取らないように」

「ええ、向こうが私に相応しい相手なら、黙って嫁に参りましょう」

「では信幸を呼ぶぞ。さあ信幸君、部屋の中へ――って、稲!?」

「これを避けられるか! どっせーいっ!!」

「いつの間に出したんだそのカボチャはー!! 食べ物を凶器にしてはいかん!」

「ごきげんよう、徳川殿。どうしました、顔色が優れませんが」

「なんと、見事なナイスキャッチ!! 信幸君、怪我は……」

「カボチャが飛んでくるくらい、真田では日常茶飯事ですから」

「そ、そうか……って、稲、二発目投げようとするな!!」

「ああ、こちらが噂の稲姫ですか。これはお美しい姫ですね」

「いや、今にも人を二、三人殺しそうな気配ですぞ!?」

「このくらい、真田では日常ですから」

「真田信幸、どうやら胆力はあるようですね。ですがカボチャではなく、本物の薙刀ならどうです――」

「だからどこから出したその刃物ー!! ああもう駄目だ、縁談が血の海に……って、おや?」

「稲姫、私は父と違い気の利かぬ男ですが、私なりにあなたを笑顔にしましょう。夫婦となっていただけますか」

「稲の薙刀を一瞬にして奪い、カボチャをジャック・オ・ランタンの形にくり抜くとは……なんと器用な男よ、真田信幸!」

「まあ、薙刀が飛んでくるのも、真田の日常ですから」

「なんて頼りになる男……やだもう、むしろ儂が嫁に行きたい!」




 表裏比興の者、と呼ばれた父を持つ信幸ならば、多少のストレスは感じないのかもしれない。メンタルの強さが原因かは分からないが、信幸の享年は90オーバー。戦国時代の人間にとっては、化け物レベルの長寿である。
 
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