パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 その15

ふぅ。宮下佑樹【ﾐﾔｼﾀﾕｳｷ】（29歳）は、肩を落として息をついた。
店の外では冬から春に向かって強い風が吹いている。

美容師になって8年。
職場は３ヶ所変わったものの、
スキルはアップした。
『トータルヘアコーディネーター』という肩書きを貰って半年経った。


勤め先美容院『koo.（コー）』は地方都市に有る。
この都市では大きい規模でチェーン展開をしている、『カットの上手さ』が売りのこ洒落た内装の店。


ベテラン女性店長のもと、スタッフは7名とこじんまりした店だが、
固定客は比較的沢山おり指名も受けることが多い。


俺…いやボク（仕事柄ボクが癖になっている）は、
あるポリシーのもと美容師をしている。
その人が一番魅力的になるヘアを作ることは当たり前だが、
あまりお客様に提案をし過ぎないことである。
更には雑誌はお客様を見て合ったものを渡すのではなく、
タイプの違う雑誌を数種類揃えてお客様が選べるようにしている。