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本日もエロ日和なり
第26章 その26
ぼんやりクラウンを眺めていると、
精算を終えて動き出したクラウン運転席の紳士が、
ルリにウィンクした。



(あれ?
知り合いか?)


「羽田くーん、
タオル補充できてないよー!」

店長の怒声が飛び慌てて「す、すみません!」と補充に行く。






―――――夜、
昨日と同じ裏手の廃材倉庫にて。ルリがホテルに行きたいと言い出した。

「うーん、
割り勘なら…俺、妻子がいるからさ……」


「えー?!
ケチなんだね………」とルリがむくれた。


(仕方ないじゃないか、
娘は小さいんだし)と内心憤慨する久志。


「車じゃダメかな?」

「狭いもーん。
分かった、ホテル代も出せないならルリ他の人んトコ行くからっ。
最近うちのスタンド来てるクラウンの車知ってる?」

「えっ?」
いきなり頓珍漢な話をし始めたルリに、
久志はキョトンとしてしまった。

クラウン………
ああ、あの。


「あの人も〔セフレ〕なんだから!
ホテル代くらい何時も出してくれるんだよ?」


「え………………」
ショックで呆気に取られた。爺さまキラー……なのか?


「どうすんの?
出すの?出さないならしないからね」

と言うルリに、
「わ、分かった分かった。ホテル行こう!」と慌てて返したが…………



ラブホにて全裸のルリを抱きながら、
久志は(トホホ………
これで最後かもしれない…
毎回五千円のホテル代は今の俺にはキツイ…………)
(ああ、クラウン乗りてぇなぁ……………泣)
ふっと(てか〔家族の緊急搬送〕の時の初老男性とクラウン紳士は別人だよな?)と気付いたが、訊けない……


束の間の〔天国〕を惜しみつつ若い肉体を貪った…………………………………………………






〜〜end〜〜
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