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刑事とJK
第14章 徒然シゲ


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その日の僕はいらいらしていた


さっきみたいな先輩へのストレスはもちろんのことながら、
朝に自分の同僚の、
先輩への悪口を聞いてしまったからだ




悪口の内容はこう


今まで斉藤たちが解決してきた事件を見ても

斉藤には実力なんてない


全部後輩の嘉山茂弘(つまり僕)の能力の高さが
事件解決を導いたんだと



一瞬僕も喜んだ

僕の能力を認めてくれる人がいることに…





しかし、先輩に実力がないなんてのは大嘘だ

あの人、斉藤正貴はすごい人物だ




事件解決のための直感や行動力は、
総合しても刑事課でイチニを争うほどのつわものだ


それは、何年も後輩やってて、
先輩につきっきりの僕が1番知ってることだった




それを

やれ斉藤は実力がないだの、
やれ斉藤はただの乱暴者だの言われるのは腹が立つ






―――――って、こんな僕の気持ちも知らないで、
机に足のっけて居眠りしないで下さいよ、先輩!!!







しかし僕は、この鬱憤も飲み込んだ

はけ口はない

ただ僕の中にどんどん蓄積されていく






そのまま僕は書類整理にかかる


もうどうでもいい、この山を片付けてやる!!


僕は一心に仕事をした





集中力は神の領域だった


そのせいで、
先輩がいつの間にか起きていることにも気がつかなかった



先輩はコーヒーを取りに立ち上がった


「うおっ、立ちくらみ…」



ドンッ



バサササー



「…」



僕の前に積んであった書類はすべて床に落ちた


あと…たった五枚だったのに…


たった五枚だったのに――!!





僕の中の何かがキレた




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