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刑事とJK
第25章 副担任
「あの~、斉藤先生?
あたしも教えてもらえませんか?」
クラスの女子が言った
「わかったわかった」
斉藤はその子の隣へ行った
「どれだ?」
「これ…」
「ああ、この問題は…
この角は150゜だろ?
だから円を描いてみると…」
ゆうひは驚いた
斉藤、真面目に教えてる…
意外と勉強できるんだ…!!
でもちょっと悔しい…
「――だからここは?」
「…5/6π…?」
「そうだそうだ
わかったな、偉いぞ」
斉藤はニコッと笑って
その子の頭をポンポンと叩いた
「…///」
それを見ていた他の女子は次々と斉藤を呼んだ
「斉藤先生、私ここわかりません!!」
「斉藤先生、先にあたしのを教えてください!!」
ちょっと…お前ら~
斉藤もあんまり行かないで~
「ま、待て、順番だ順番」
斉藤は近くで手を挙げている子の勉強から見ていった
悔しそうにしていたのは
なにもゆうひだけではない
数学のハゲ教師もどこか悔しそうにしていた
―――――――――――
2限目は国語だった
待ってましたとばかりに
女子は手を挙げる
斉藤をご指名のようだ
国語教師も、いつもとはガラリと違う教室の雰囲気に驚いた
「斉藤先生、何でこれは③が答なんですか?」
「んん?…"下線部について、この時の作者の心情は…"
ああー…」
斉藤は口に手を当てた
ゆうひは、眼鏡を掛けた斉藤が新鮮で、
でも似合っていて、ずっと見ていた
「作者の心情とか、わっかんねぇっ」
「え~、先生オールマイティって
言ってたじゃないですか~」
「わからんもんはしょうがねぇ。
前に大先生がいらっしゃるから、あの人に聞きな、わりぃな」
問題を尋ねた子は顔を赤くして
「いいえ、ありがとうございます///」
と言った
そんな感じで3限目も4限目も終わった
ゆうひはつまらなく思った