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刑事とJK
第30章 肝試し






「ゆうひ!!」


「りく(小川りく)!!」





その大きな声で、
ゆうひと小川は目が覚めた




『う…ん…
あ、斉とっ…正貴叔父さん!!』



「茂弘ちゃん(シゲのこと)!!」




二人はその場で立ち上がった



そこへ、斉藤とシゲが駆け寄って来る





「心配させんじゃねぇよ!!」


なりふり構わず
斉藤はゆうひを抱きしめた




『…ごめん…』



斉藤のその手が震えていたので、
ゆうひは何も言い返せなかった






「でも…よかった…」



『…うん』




斉藤はゆうひの手を引いて帰ろうとした


しかし、ゆうひの体が止まった




どうした?とゆうひの方を振り向くと、
小川がゆうひのもう片方の手を掴んでいた





「…なんだてめぇ」



「あんた、丹羽とどういう関係?」



「叔父と姪ですが?」




「嘘つくな、あんだけ抱きしめといて…
彼氏かなんかだろ?」



「…ああ、そうだ」





すると小川はゆうひの手を離し、
斉藤の前に立った



そして斉藤の胸倉を思いっ切り掴み、言った




「何で丹羽をひとりにさせたんだ!!」



「…」



「丹羽は、行かないで欲しいって言ってたんだろ!?
とびきり怖がりのこいつに、
何でずっと一緒にいてやらなかったんだよ!!?」



「っせぇな!!
てめぇには関係ねぇよ!!」



「答えろよ!!
あんた丹羽のことちゃんと考えてんのか!?」





斉藤は今にも小川に殴り掛からんとする勢いだった




『やめてよ!!』



ゆうひは二人の間に割って入った



…斉藤と、向かい合って…



「小川君はあたしのことすごく優しくしてくれたの…
手をあげたりしないで…」



「…ゆうひ…」




斉藤は後ろを向いた



そしてゆっくり歩き出した





ゆうひが、小川をかばうように自分の前に立ったことが
悔しくて悔しくて仕方なかったのだ



『小川君も…言い過ぎだよ…
あいつはあたしのこと、
すごく大切にしてくれる…』



ゆうひはそう言って、斉藤の後を追った








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