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刑事とJK
第35章 ひと言だけちょうだい





"何でも治せんだな、スゲーよ!!"





斉藤のその言葉は
津森の頭の中で何度も甦った






「…何でもだなんて///」




津森はクスリと微笑した





その時、医療班の一人の
男性が慌てて入ってきた




「津森さん!!」



「どうしたの?」



「た、大変です…!!
患者が…!!」



津森は立ち上がり、
その班員の後をついていった














「…っ…!!」



ベッドの上で苦しんでいたのは、
一人の警官だった



腹を強く押さえている所からは出血が酷い





「田辺さんや飯沼さんは!!?」



「それが…医療班の先輩組は
みんな出払っていて…」



つまり、今この警官を助けられるのは、
あたしか、この新入りしかいない…





警官の容態は悪い


一刻も早く助けないと…






「手術室に運ぶわよ!!」


「は、はい!!」




――――――――――




刑事課の医療室は、
病院よりも設備が整っていない



ちゃんと病院に運ぶのが1番だろうけれど、
ここから病院までは遠すぎる




「どうやら犯人ともめあって、
ナイフで刺されたようです…!!」



「わかったわ…」



警官に麻酔を打ち、
それが効いてきたようだ










「まずは、出血を止めます…」






手が…



震える…





「…」




汗が吹き出る




津森は、まだ手術という手術を
あまり経験したことがなかった




ドクドクと流れる血…



その生々しさに耐え切れず、
逃げてしまいたかった



しかし津森は患者と向き合う






傷口を焼いて止血し、
縫っていく


しかしその作業だけで、
津森は時間がかかりすぎてしまった








あと一針…







「津森さん!!
患者の心拍数が…!!」





津森はバッと見上げた















「…止まって…」








うそ…











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