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第37章 姿勢⑤

「江美さんて絵とか描く？」

「え？　エロい奴？」

「なんでそういくかな……普通のでも」

「まあ結構好きね。コピックとか揃えてるくらいには」

「想像以上に本格派なんだ」

「それがどうかした？」

「人に見せたりできる？」

「見たいの？」

「なんでさっきから質問を質問で返すの」

「あら、ごめんなさい」

「それで？」

「そうねえ。恥ずかしくてあんまり見せらんないわあ」

「へえ、意外」

「なによ」

「いや、江美さんならともかくふつうは自分の絵なんて脳を覗かれるくらい嫌じゃないって進めようとしたんだけど」

「葵って結構アタシを誤解してると思うの」

「一夜限りの仲じゃあね」

「でも、ま。そうよね。絵とかあ……小説とかって、知ってる人に見せるのってすっごく勇気要るわよね。ゲンちゃんにだって見せたくないもの」

「すっげえ暗いの書いてるよね」

「やだ。なんでわかるの？」

「なんとなくだけど」

「うふ。そうよ？　普段明るい人間ほど気違いな暗い作品を作ってたりするの。まあ元々変人もそういうの好きだから？　見分けは難しいけど」

「それって大差ないよね」

「考えようよ」

「アタシさあ、宇宙人っていると思うの」

「何の話？」

「さっきまで何の話してたか忘れちゃったからぶっこんでみたんだけど」

「メモ二枚目いく？」

「そうしましょうか」