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第37章 姿勢⑤

「最近ねえ、思うのはあ」

「あれ？　メモは？」

「あ、今読んでるう」

「あんまりに自然に読むから……」

「こういう風に、さ。知人に見せられない世界をぐんぐん広げてくのってどおなのお？　て思うのよ」

「特に家族」

「そうそれ。特に家族。別に友達はいいのよっあくまで他人だから」

「恋人もぎりぎり良い」

「そうっ。でもお……アタシ家族には見せたくないかなあ」

「妄想世界を見せたら終わるし」

「葵もあるのね」

「俺は仕事が既にアウトだけど」

「んふ」

「その笑いやめて。笑う度つつくのもやめて」

「おっきめ乳首」

「なに。いきなり」

「服の上からでも押しやすうい」

「押すのまではとにかくなんでぐりぐりしてんの？　仕事中なんだけど」

「ちっ」

「今舌打ちした？」

「やだあ。しないわよ」

「……なんだっけ」

「なにが？」

「さっきまで何の話してた？」

「んー。乳首の前よね」

「乳首の前……その言い方もどうかと思うけど。いい加減離しなさい」

「葵ってベッドの上だと官能的に誘ってくるのに普段は他人行儀ね」

「営業だから」

「やあっ聞きたくなーい！」

「あー。思い出せねえ」

「次は日本人が知っておくべき三大コーナーじゃないの？」

「江美さんが引きずりますか。それ」