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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 そっと髪に挿した簪を抜き取り、手のひらに乗せる。可憐な酔芙蓉の花に光が反射して、小さな星が花の中に鮮やかに浮き上がると共に、まさに酔芙蓉の花が刻一刻と変化するように、その玉石の色がはんなりとした薄紅から艶やかなピンクに変わる。
―承平さんも私も逃げることなく、我が運命を精一杯生き切ることができますように。
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