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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 薫子はつと空を振り仰いだ。わずかに曇っているが、幾重にも垂れ込めた雲間から、ひと筋の細い光が見え始めている。長かった梅雨もそろそろ明ける時期が近いのかもしれない。今日、生まれたばかりの太陽の光が清々しく感じられ、薫子は眼を細めて浄らかな光を眺めた。
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