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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
「父上、ご自分の甘さを後悔することになりますよ」
 薫子は捨て台詞を残すと、身軽に塀に飛び上がり、その姿は瞬く間に築地塀の向こうに消えた。猫のようにストンと鮮やかに着地を決めると、ここに長居は無用とばかりに後は振り返りもせずに一目散に走った。
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