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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第4章 入内の勅命
 私は自分の人生を全力で生きる。たとえこれから先、彼に逢うことはできなくても、彼に言ったように、自分の運命に立ち向かって生きたい。承平の整った顔を思い浮かべながら、薫子は力一杯走った。その時、確かにその先には未来が待っているはずだったのだ。しかし、その未来が自分にとって、いかに残酷なものであるか。薫子は想像もしていなかったのである。

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