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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第9章 小平太という男
 帝の舌が薫子の舌を烈しく吸い上げ、互いの唾液が混じり合う。吸われている中に、どちらの唾液か判らないほどになり、口の中もジンと痺れて感覚がなくなった。
 ゴクリと、薫子が口内に溜まった誰のとも知れぬ唾液を飲み下す。
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