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私は犬
第14章 お友達?
「ねぇねぇ。本当に音羽さん来るの??来なかったらどうする?怒って帰っちゃったら?」

と、笹木さんが言ってギクリとした。なんですって?音羽さんですって?

「彼氏に頼んだから大丈夫だって。今日、打ち合わせでこの店使うって約束したし。美貴は本当に音羽さん一筋だよねぇ。感心するわ…。」

ああ。確か笹木さんのお名前は美貴さんだったわ。

「とりあえず、絶対に音羽さんに手出さないでよ。絶対だよ?」

「はいはい。」

と桐生さんが呆れたように言う。

「九宝さんも!絶対だよっ。話かけられてもなるべく無視して。」

「はい…。」

何それ……。ちょっと行き過ぎじゃないかしら?


「でもあの話、本当なの。音羽さんの妹が、音羽歩だって。」

「えーっ!あの悲劇の歌姫?家族旅行中に飛行機事故で死んだ?」

何よそれ……。

「そうそう。まだ遺体見つかってないよね。今頃、海の中で魚の餌になって……。」

「うわっ。グロぃ話やめてっ!」

「本当らしいよ。先輩の友達が歩と同じ高校で、お葬式で音羽さん見たって言ってたから間違いない。」

「音羽なんて苗字、珍しいもんね。歩って、芸名じゃ無かったんだね。でもさ、落ち目だったから生きててもクーちゃんに抜かされてたよ。きっと。」

「あー。わかる。クーちゃんの方が可愛いもんね〜。」
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