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私は犬
第14章 お友達?
………。なんだか帰りたくなってきた。自分の両親が亡くなった時もたぶんこういう風に、色々な人が興味本意で色々な噂をしたのかもしれない………。それを想像すると。胸がムカムカする。。。



「ねぇ。そのバック、ヘルメス?」

「??」

これの事かしら?いきなり池ノ内さんに言われて、ビックリした。

「ちょっと見せて。」

いきなり鞄を池ノ内さんに奪われる。

「何これ。ペラペラじゃん。まさか偽物??」

みんなの視線が一気に鞄に集まった。

「偽物は引くわ。」

「うん。ちょっとあれだよね…。」

クロエのお家で作っているのはヘルメスだから偽物じゃないし。

どう説明すべきかしら。軽量化をはかるために、既存品のような裏革をやめて、強度と復元力を持たせた特別な1枚革で、皺にならず、且つ畳めるようにと改良を重ねて出来たばかりの、試作段階の品って、日本語で何ていえばいいの???


はぁ…。困ったわ…。どうすればいいか分からない…。

「うわーっ。中身も全部ブランド品っ。」

そう言って池ノ内さんは中身を勝手にテーブルに並べ始めた。

「や、やめてくださいっ。」

あまりの事に、他の言葉が出てこない…。
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