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私は犬
第4章 慣れるまで
昨日の出来事に思いを馳せながら、身支度を整えるためにベッドから抜け出し、改めて部屋を見回して思う


おば様のお宅の客間は、いつ来ても豪華というか華やかだわ。と


今までもルームメイトの実家やホテルなど、色々な所で寝泊まりしたけれど


こんなに大きな天蓋つきの真っ白なベッドが客間にあるお宅なんて、他に知らないもの


しかも、掛けられた覆いはまるでウェディングドレスのように、白い薄い布が何層にも重なっていて、側を通っただけで儚げにヒラヒラと揺れる。


ベッドサイドには揃いのコンソールに大量のピンクの薔薇が生けられた花瓶が置かれている。


こういう花瓶、どこかで見たわ。確かローマだったはず…。フィレンツェだったかしら?


敷き詰められたカーペットは繊細な織り込み模様が施された薄めのローズピンクで、窓辺を彩るカーテンと同じ色


壁にはブークローの天使の絵たちが掛けられ、ベッドと同じデザインであろう白い鏡台やチェストが並び、何というか…。ロマンチック?


「良かったら、これ着てちょうだいね」と渡されたベビーピンクのナイティと揃いのガウンは、綿素材ではあるもののやけに薄手で。


たっぷりとした作りで、無駄にフリフリしていて、おリボンが沢山あしらわれていて。何というか…。ロマンチック?
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