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私は犬
第5章 新しい生活へ
※作者都合により、いきなり半年後へ飛びます。この半年間、真子さんが九宝邸で、どんな生活をしていたか。何となくお察しください……。

※※※※※※※※


4月の第1週目の週末にあたる今日、万由さんのお誕生日に、お二人の結婚式が滞りなく執り行われ、おじ様もおば様も肩の荷が降りたとホッとしていらっしゃった。


披露宴という名のお披露目パーティーは豪華なものだった。らしいのだけれど、実は人が多すぎて全く記憶に残っていない。

かろうじて覚えているのは、新婦の万由さんの艶やかな衣装くらい。


披露宴で軽くご挨拶を交わした方々に、道ですれ違って声を掛けられたらどうしようと…。そんな心配ばかりしてしまう。お顔を覚えていない方に、どうご挨拶すればいいのかしら…。



意外だったのは、寄宿舎で共に過ごしたお友達のお父さま方のお顔を、招待客の中に数名、お見掛けした事。


おじ様の会社の取引先の方なんですって。知らなかったわ。そう考えると世間は広いようで狭いのかもしれない



いよいよ明後日から私の社会人生活の幕も開く。日本の4月はとても忙しいのね


孝徳さんがご用意くださった住まいは、勤務先まで徒歩10分程度の都心部にそびえるタワーマンションの最上階だった
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