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私は犬
第7章 お仕事です②
近藤さんは、見た目は少したくましい男性なのに、お話すると女性のような言葉使いで、とても個性的。

今日も、いつものように道化師を思い出させるようなお洋服だわ。

目がチカチカするようなカラフルなシャツに、ベストを合わせ、タイトすぎる黒パンツとジャケット。おまけに黒い靴はとてもヘンテコで変な動物?がついている。

「こっちよ。着いてきて」と言われて黙って後に続く。


「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」サロンの中に足を踏み入れると、そう声を掛けられて個室へ案内される。

「お荷物お預かりいたします」と言われたのでコートとバッグをお願いして、促されるままにソファー腰を下ろす。

なぜか隣には、簡易椅子に座った近藤さんがいるのだけれども。どうしたのかしら?




せっせと爪を避けた指先にクリームを優しく塗布しながら、馴染みのネイリストさんが

「クリアだからお仕事の妨げにならないと思ったんですけど、申し訳ありません。」

と、ジェルを勧めた事を後悔するかのように、しきりに謝ってこられるから、此方まで申し訳なくなってしまう。

何と返すべきかしら?
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