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私は犬
第30章 主導権*
辺りをさっと見渡すと、大きなクッションとか、色々な物が準備されていた。ベッドやソファー以外でセックスするのも悪くないわ。昔観たあの映画なんて、ピアノの上でヤってたんだから。

有史さんは、赤い縄の束を手にすると、優しい優しいキスをした。まるで始まりの合図みたい…。

「ここに座って…。」

床に敷かれたコットンのラグに腰をおろす。何だろう、今日は有史さんが優しい気がする…。

ブラジャーとショーツを身に着けたまま、おっぱいがいつものように縛られていく。ウエストにも縄がかけられ、両手は前で拘束された。

「おいで…。」

有史さんに促されて、チンニングのバーの下へ行くと、両手を縛る縄の残りが、バーに固く結びつけられた。

手を真っ直ぐ上げたまま、吊るされている。手首にはタオルが咬まされているから、痛くはない。でも、手錠みたいにギッチリ縛られて抜けそうにない。

「股縄、かけていい?」

耳元で低い声でそう囁かれ、思わず首が縦に動いた。それを了承の合図と受け取った有史さんは、後ろの縄を股に食い込ませるようにしながら、一旦ウエストに潜らせて、また股を通してから後ろへ固定した。

「はぁ〜っ。スッげぇ可愛い…。」
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