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私は犬
第32章 我慢の限界*
途中、自宅に寄って必要な物を持ってから、有史さんの部屋に戻った。髪をまとめてエプロンをかけて、箱の裏の手順を頭に叩き込む。一口大って…なんセンチ?

スマホで検索していると、冷蔵庫に食材をしまっていた有史さんが声を掛けてきた。

「何調べてる?」

「一口大の大きさ。」

「あー…。2〜3センチじゃないか?」

「2センチ?3センチ?2.5センチ?どれ?」

「……2.5センチで。」

わかった。次に必要なものはっと…。

「何を探してる?」

「定規。測らないと切れない。」

「なぁ…俺も手伝いたい…。」

邪魔なのに…。困った人だわ。まったく。

「邪魔しないでね。」

「……はい。」

野菜を洗って、皮を剥くのね…。玉ねぎって剥くの面倒くさい…。

「あー…お前人参切れば?玉ねぎは涙出るから、俺やるわ…。」

「そう。じゃあお願い。」

人参を綺麗に洗って、皮を剥いて、ジップロックに入れた定規で測りながら、きっちり2.5センチ大に切り終ると、有史さんは肉を圧力鍋で煮ながら、横で玉ねぎを炒めていた。じゃが芋の下拵えも終わっている。

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