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私は犬
第32章 我慢の限界*
「私も炒めたい…。」

「あー…。涙出て目が痛くなるから止めとけ。目痛いの嫌だろ?」

「そうね…。涙出るのは嫌だわ。」

「だろ?炒め終わったら、人参炒めさせてやる。水も入れさせてやる。そこのカップで計って用意しとけ。」

「うん。わかった!」

きっちりお水計らないと。

「あー…お前さ、スイカ切れる?こう格好よく…。」

「うん。頑張る。」

「俺、スイカ食いたかったんだ…。頼むわ…。」

「仕方ないなぁ…。」

「ちょっ、待て。マジックでスイカに線引くなっっ!」

「こうやって印つけないとちゃんと切れないのっ!邪魔しないでっ!」

「あー…人参炒めろ。ほら、今人参炒めるところだ。スイカは俺が切る。な?人参頼むよ…。」

「………。人参ばっか…。」

渋々、人参を炒めた。

「あー…。その左手の鍋の蓋ってアレか?ドラクエの初期装備か何か?右手の菜箸、ひのきの棒に変えとくか?」

「これは、油避け。炒めてる時、跳ねると痛いのっ。」

まったく、こんな事くらい、分かりなさいよっ…。

「あー…。そうだ!チーズ切れよ。あのブルーチーズ美味いの?シェリー酒、炭酸で割って飲もう。うん、それがいい。」

スイカ切るなって言ったり、人参炒めろって言ったり、チーズ切れって言ったり、いちいちうるさい…。
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