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私は犬
第32章 我慢の限界*
犬がウイスキー飲んでる。犬の癖に…お箸持ってる…。

「おい…。そろそろ飲むの止めろ…。」

「いーやーだーっ。」

「………酒作って来てやる。グラス貸しなさい。」

「だーめーっ。」

「……チョコ食う?」

「たべるっ!」

「チョコあげるから、グラス寄越しなさい…。」

仕方ないここは従おう。チョコのためだ。グラスを差し出すと、有史さんはキッチンに行ってしまった。あーっ!シェリー酒まで持って行っちゃった!ぶー

「ほら、チョコやるから水飲め。もうお酒はおしまい。分かった?」

「わかった…。」

チョコくれるなら止める。了承の返事をすると、有史さんはチョコの入った缶をくれた。これは…チョコレートファクトリーのっ!

「お前それ好きだろ?」

「うん。大好き」

あれ?何で知ってんのかな?まあいいか…。夜だから1つだけにしておこう。

「チョコ旨いか?」

貴重な1粒を、口の中でゆっくり溶かしながら食べてるから、返事ができない。仕方なく2回頷いて返事をした。有史さんは返事を確認すると、満足そうに笑って、カレーを食べ出した。いつの間に…。

犬の癖に、やる事が早いから嫌になっちゃう…。私の出る幕が何にもない。ジョンってば溢さず綺麗にカレーを食べて。器用な肉球してること…。
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