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私は犬
第33章 さよなら
「・・・・・・・・・・。」

せっかく声を掛けてあげたというのに、何で何も言わないの?それって失礼過ぎない?

有史さんは無言で歩み寄ってきて、隣に腰を下ろすと、私をソファーに押し倒して、パジャマのボタンを外し始めた。

「ちょっとっ!何するのよっ!」

いきなり脱がしに掛かるなんて、失礼にも程がある、ありすぎる。なのに、抗議の言葉なんてまるで聞こえていないかのように、私を凄い力で抱きしめて、剥き出しになったおっぱいに顔を埋めた。

そして、いつもの甘ったるいため息なんかじゃなくて、お腹の底から「はぁーっ。」て息を吐き出して、そのまま動かなくなった。

「ねぇ…何してんの?」

「帰って来てたなら連絡くらい寄越せ…。」

他に言う事ないのかしら?連絡しなくて悪かったわね…。自分だって寄越さなかった癖に…。

「重いから退いて。」

ヤるなら、せめて相応しい場所まで連れて行ってよ…。つうか、胸に耳当てたままじっと動かないで、何がしたいのよ…。

「……黙れ。」

黙れですって?偉そうに…。なんだかイライラしてきた。有史さんを、身体の上から退かそうと肩に手を掛けて、ふと、何かがおかしいと思った。

なんか、身体が微かに震えてるような…。
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