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私は犬
第33章 さよなら
「睡眠薬ない?あったら1錠分けて欲しいの。」

スイスのクリニックで、時差ぼけ対策に1〜2錠処方して欲しいとお願いして断られた。真知子先生も、剛ちゃんも、誰も私に睡眠薬をくれない…。

「あー…持ってねぇ。飲むなよ、そんなもん。頭撫でてやるから目閉じて寝ろ。……どうしても寝れなきゃ、さっきみたいにクリ弄って、失神するまで逝かしてやる…。」

そう言われた時、自分は逝かせて欲しいんじゃなくて、セックスがしたいのだと、そう悟った。おチンコを入れて貰いたい…。中の気持ちいい場所を、おチンコに撫でて欲しい…。でも、そんな事、口にできない…。

「はァ〜〜ッ。」

気が付くと、口から大きなため息が漏れていた。

「ほら、目閉じろ。ため息吐くな。」

自分は散々ため息吐いてる癖に…。でも、首の下に腕があると落ち着く…。背中に貼り付く体温が心地よくて、お腹が…くすぐったい…?

「ねぇ…何でお腹掴むの?」

「お前、腹、こんなに硬かったっけ?」

何が言いたいんだろう…。硬いと不都合でもあるのだろうか?有史さんの手が下腹部を圧迫しながら小さく揺さぶった…。

「何も感じない?」

「うん。くすぐったい。」

クソッ、やり直しかよ。と小さく有史さんが呟く声が聞こえた。何がやり直しなのだろう…。変なの。
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