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いとしい
第3章 いたい
去年のあの冬の日は最高だった
だけど、
だけど、
会えない日が続いて続いて、もう3月になった
なんとあたしは、なんとなく受けた
ドラマのオーディションに受かってしまったのだ
撮影もしつつ慌ただしい毎日
少しだけ知名度も上がってきて
カツカツだった独り暮らしにも余裕が出てきて
横浜から都内に引っ越した
その中で、いつも頭の隅ではあいつ
ルカのことを考えてた
充実してるけど
それだけ足りない
たまに連絡をとっても
この日会える?
空いてないーー
か
空いてても、後日
ごめん仕事入っちゃって
とか
神様がいたら
2人を会わせないようにしてるような感じだ
なんてやつだろう、神様は
そんなことを考えながら
新しい都内の家には
ちょっと大きめのベッドを買った
だけど、間違いだ
寂しくなるばかり
あの日を思い出しては
ため息をつくようになっていった