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第9章 全てを手に入れるか、全てを失うか

「第一段階？」

「あなたは知らないでしょうけど、私はずっとあなたを疎ましく思ってました。去年も一昨年も、深之のとこに来て『失恋した！』って大騒ぎしてるのを学校で何回も見ましたから」

う！いやいや、さすがにそんな何回も…ほんの５回くらいでしょ？大袈裟ねぇ、ホホホ

「無神経ですよね、深之はあんなに分かりやすくあなたのこと好きだったのに」

「ちょっと待ってよ！」
森本センパイにも同じようなこと言われたけど、
「そんなの本人の口から聞かなくちゃ分からないでしょ？もし気づいたとしても自分から言って否定されたら恥ずかしいじゃない」
あたしにだって言い分(いいぶん)はある。

「はー…結局あなたは『それ』なんですよね」

「それ？」