この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
失恋キューピッド
第15章 エピローグ

───そして、三月…
「頑張ってね」
「休みには帰ってきなさいよ」
都成校に入学が決まったミユキは色々な手続きなどもあって入学式の半月も前に寮に入るという。
今、あたし達はミユキを見送るため新幹線のホームにいる。
「寂しくなるな、リナ…痛てッ」
振り向いて見たら、シンジ君はリナちゃんの肩を抱こうとして手をつねられている。何だかんだで二人は仲がいい。
やがて発車のベルが鳴り、ミユキが新幹線に乗り込み あたし達は白線の後ろに下がる。
「…元気でね」
「アユミもな」
『行かないで』という言葉が喉まで出かかり、かろうじて飲み込んだ。
あたし達の視線が絡まりあったその時、
「ひゃッ?」
背中に衝撃を受けたあたしは踏みとどまれずミユキの胸に飛び込んでしまう。
プシューッ
降りる間もなくドアが閉まる。
「ちょ…っ」
あたしとミユキは、満面の笑みで手を振る母を動き出した新幹線の中から呆気にとられて見つめていた。
(終)
「頑張ってね」
「休みには帰ってきなさいよ」
都成校に入学が決まったミユキは色々な手続きなどもあって入学式の半月も前に寮に入るという。
今、あたし達はミユキを見送るため新幹線のホームにいる。
「寂しくなるな、リナ…痛てッ」
振り向いて見たら、シンジ君はリナちゃんの肩を抱こうとして手をつねられている。何だかんだで二人は仲がいい。
やがて発車のベルが鳴り、ミユキが新幹線に乗り込み あたし達は白線の後ろに下がる。
「…元気でね」
「アユミもな」
『行かないで』という言葉が喉まで出かかり、かろうじて飲み込んだ。
あたし達の視線が絡まりあったその時、
「ひゃッ?」
背中に衝撃を受けたあたしは踏みとどまれずミユキの胸に飛び込んでしまう。
プシューッ
降りる間もなくドアが閉まる。
「ちょ…っ」
あたしとミユキは、満面の笑みで手を振る母を動き出した新幹線の中から呆気にとられて見つめていた。
(終)

