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ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人

皆、やっぱり。
自分の事責めてるんだ。
「そんなこと、ないよ」
楓くんも、滝くんも。猛くんも。
そんな顔しないで。お願い。
「みんな、助けに来てくれた、から。私、すっごく嬉しかったの」
嬉しかった、だなんて誰でも言える、そんな簡単な言葉しか知らない。
ありきたりな言葉しか出てこない、そんな自分が情けない。
本当に、ありきたり。
平凡だ。
なんて乏しいんだろう。
でも、どうか彼らに届きますように。
拙くてありきたりでも、これが私の素直な気持ち。
「滝くんも、猛くんも、楓くんも。出会って間もない暁くんや恭介くんまで、私のことを、助けてくれたじゃない」
あの時、皆が来てくれなかったら。
そこから先は想像したくない。
「一番間抜けなのは私なの。何も疑わずに付いて行っちゃったんだもの。だから」
「はい、そこまで」
遮ったのは猛くんだった。
私を抱きかかえる腕に力が入る。
そんな気がした。
「転入してきたばっかで、勝手の分からないお前に付け込んだんだろ。悪いのはあいつらであって、未結じゃない。だから、お前は自分を責めるような言い方すんな」
私を見返す猛くんと目が合った。
熱を灯した瞳は、力強い感情が込められていて。
その強いまなざしでわかる。
彼が言っていることに嘘偽りがないことくらい。

