この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人

「その、クイーン候補として、斎宮さんが選ばれたんです」
「はぁ……、え、ええ?」
雑念を浮かべていた私がいけないんだけれど、不意打ちを食らったといわんばかりの間抜けな声をあげてしまった。
「恭介くん、今、なんて……」
「はい。クイーン候補として、斎宮さんが選ばれたんです」
嫌なカオ一つ見せず、恭介くんは同じセリフを繰り返してくれた。
清々しい笑顔付きで。
「ちなみにクイーン候補は『プリンセス』って呼ばれるから、未結ちゃんは今日から俺たちのプリンセスだね」
楓くんとじゃれ合っていた暁くんが、ひょっこりと私の隣に顔を出すと、甘いマスクで微笑みかけた。
その細められた優しい目つきと心地よい声の響きに、図らずも、心をきゅんと高鳴らせてしまう。
暁くんの口から『プリンセス』だなんて、似合いすぎていて。
女の子のハートに対しての破壊力抜群だ。
けれども『プリンセス』なんて肩書き、とてもじゃないけれど私には身分不相応だ。
地味、平凡、とりえなし。
自分を卑下する言葉ならいくらでも浮かんでくる。
だから、クイーン候補なんて華々しいものに選ばれる所以なんて、どこにも見当たらなかった。
私は疑問ばかりを浮かべて首を傾ける。
「どうして、私が…私なんかがクイーン候補に?」

