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第11章 純一

中川 純一。
もうすぐ大学生。

まさに 充実した高校生活を経て 人生最後の楽園時代、
いよいよ大学生活が 始まる。

大学は 部活推薦もあり 秋に決まって、この春は 合宿と 寮に入る為の 準備諸々で 楽しく忙しくしている。

中学からバレーボールを始めて ぐんぐん身長も伸び 高校に入ってからは 体格は 別人のように 大きくなった。

十八歳も 人それぞれ 色々だが
純一は 髭もうっすら生え もうどこにも少年の陰はない。

明るく真面目なタイプだが 見た目は 少々ワイルドな風貌で 中学後半からは よくモテた。

地区代表に 抜擢されたり と部活も順調、スパイクが決まる度に アイドル並の 声援を受けたり。

中学三年の 時 初めて彼女らしきオンナが出来た。

中学バレー部の 二つ先輩の 恵。

以前から 度々アプローチは されていたが 照れもあり なかなか 先輩にはうかつに 本気にもなれず。


あれは 忘れもしない 中学の地区大会の決勝戦、
当然 その先を目標に これまで朝晩バレーに打ち込んだ、その集大成の一段階。

だが、
接戦の末 惜しくも大敗、、。
三年生は 引退試合となってしまった。
その 暗い長いミーティングの後、
不完全燃焼の クタクタで 重いカラダを 引きずって 一人で帰宅途中の事。


「中川君！」

えっ、、、、？

「中川君 一緒に帰ろっ。」